13センチの片想い。私とアイツの恋の距離


「何しに来たの?」
「別にー。ちょっと暇だったから」

品物を並べながら冷たく喋るけど、本当はすごくドキドキしてる。

「…先輩と一緒に回るんじゃないの?」
「あぁ…後からね」

ズキン…

諦めるって決めたのに、やっぱり傷付いている自分が嫌い。

「…檜山?」

聞いたは良いものの、何も言えずに黙っていると、翔に名前を呼ばれた。

「何、菓子くれって言ったの、そんな怒ってんの?」
「違う!」

やばい…何か言わなくちゃ。

「暇なら、的にでもなる?」
「は?」
「翔ならちょうど良いと思うけど」

わたしは奥に設置された、輪投げの的棒を指差した。

「俺はそんなに小さくねぇし!」

声を張り上げる翔に対して、私が笑うと、

「マジ、檜山可愛くねぇ!」

そう言って翔は立ち上がった。


…うん。どうして可愛くない事ばっかり言っちゃうんだろう。

「…ごめん」

最後の1つを並べて、ポツリと呟いた。

「何か言った?」
「ううん!早く先輩の所行けばって!」

しゃがんだまま翔を見上げて言うと、ちょうど直射日光で眩しくて、翔の顔が見えない。