「何しに来たの?」
「別にー。ちょっと暇だったから」
品物を並べながら冷たく喋るけど、本当はすごくドキドキしてる。
「…先輩と一緒に回るんじゃないの?」
「あぁ…後からね」
ズキン…
諦めるって決めたのに、やっぱり傷付いている自分が嫌い。
「…檜山?」
聞いたは良いものの、何も言えずに黙っていると、翔に名前を呼ばれた。
「何、菓子くれって言ったの、そんな怒ってんの?」
「違う!」
やばい…何か言わなくちゃ。
「暇なら、的にでもなる?」
「は?」
「翔ならちょうど良いと思うけど」
わたしは奥に設置された、輪投げの的棒を指差した。
「俺はそんなに小さくねぇし!」
声を張り上げる翔に対して、私が笑うと、
「マジ、檜山可愛くねぇ!」
そう言って翔は立ち上がった。
…うん。どうして可愛くない事ばっかり言っちゃうんだろう。
「…ごめん」
最後の1つを並べて、ポツリと呟いた。
「何か言った?」
「ううん!早く先輩の所行けばって!」
しゃがんだまま翔を見上げて言うと、ちょうど直射日光で眩しくて、翔の顔が見えない。



