「…っ!!」
すぐ側で聞こえた声に、心臓が止まるかと思うくらい、ドキッとした。
いつの間に近付いて来たのか、隣には翔が居て、ダンボールの中を覗き込んでいる。
「檜山、それだって。それ」
「…」
人の気も知らないで、お菓子を指差す翔。
何か…ムカつく。
「いっ…!」
次の瞬間、翔が小さく痛がったのは、私が翔の手が挟まるように、勢いよくダンボールの蓋を閉じてやったから。
「何すんだよ!いてぇじゃんか!」
「痛くないでしょ、紙なんだから」
フンッと顔を逸らして、私は補充する品物を持ち、腰を上げた。
「…マジ、有り得ねー…」
そう小さく呟きながらも、翔は私に付いて来る。
有り得ないと思ってるなら付いて来ないでよ…。
これ以上、私の心を乱すのは止めて欲しい。
翔は部外者なんだから、みんなも追い払ってくれれば良いのに、ちょっとカッコイイせいか、誰も何も言わない。
でも、一番追い払えないのは私。追い払いたくないと思ってるのは…私だ。
客が居ないのを確認し、品物を並べる為にしゃがむと、翔も私の隣にしゃがんだ。



