13センチの片想い。私とアイツの恋の距離

♪佳奈side♪


目の前には5歳くらいの小さな女の子。
私達はその女の子を見つめ、黙り込む。

「頑張って!」

一人の友達が応援の言葉をかけると、女の子は手にしていた輪をたどたどしく投げた。

そしてその輪は…手前に置いてあった、ウサギのぬいぐるみキーホルダーに引っ掛かった。

「おめでとー!」

友達がキーホルダーを渡すと、ピョンピョンと跳びはねながら喜ぶ女の子。その姿が可愛くて、私は笑顔で拍手する。


すっきりした青空の下、行き交う沢山の人たちは、見慣れない制服や私服の人。
ずっと流れているBGMは、ポピュラーなJ-POP。

今日は文化祭。

私達女子バレー部がする事になったのは、輪投げ。
隣では男子バレー部が焼きそばを売っていて、どちらかと言えばそっちがメインで、先輩たちはほとんど男子を手伝っている。

輪投げなんて人が来るのか正直心配だったけど、保護者の家族や近所の子供など、意外と小さな子が来てくれて、これはこれで楽しい。


商品も少なくなってきて、補充しようとダンボールを漁っていた時だった。

「あー…それ!その菓子ちょうだい!」