「もしかして…中学の時バレーやってたりした?」
「はい!」
「やっぱり。岡田くんが入ってくれたら嬉しいよ」
必要としてくれる…って事だろうか。
爽やかな笑顔で言われた言葉が、嬉しくて照れ臭い。
「でも、せっかく来てくれたのにごめん。文化祭の準備で、今は練習してないんだ」
あ、そっか。
文化祭があるから、練習してなかったんだ。
さっき苺先輩と文化祭の事で話をしていたのに、少し考えれば分かる事だったのに、藤原先輩の話を聞いて、俺はやっと理解した。
「文化祭終わるまで、練習しないんですか?」
俺の質問に、先輩は腕組みして考える。
「少しはしなきゃと思ってるんだけど…いつになるか分からないから、文化祭終わったらおいで」
「はい。ありがとうございます!」
続々と人が集まる体育館。これ以上話していると、邪魔になると思った俺は、一度深く頭を下げて体育館を後にした。
入部は先延ばしになってしまったけど、足取りが軽いのは、部長がとても良さそうな人だったから。
俺が入ってくれたら「嬉しい」と言ってくれたのが嬉しかった。
身長じゃなく実力を見てくれてた事が嬉しかった。
そんな優しい先輩を、俺が傷付けてしまうなんて、思いもせずに-…。



