「何部?卓球部?」
「…」
笑顔でそう尋ねた先輩に、一瞬固まる。
だけど、こんなのは慣れっこで、一々気にしてはいられない。
「いえ、バレー部なんですけど…」
視線を体育館内にやり、「部活やってないですね」と、雰囲気で語る。
「…あ」
先輩が小さく漏らした声に、反応して顔を見ると、
「スポーツ大会の時の!!」
いきなり肩を捕まれ、声を大にして言われた。
「………あ!」
そして俺も思い出す。
スポーツ大会、準決勝で戦った相手。全体的に強かったけど、その中でも群を抜いて上手い人が居た。
確か…この人だ!
「やっぱり、バレー部の人だったんですか!?」
俺が当たり前のように聞くと、先輩も当たり前のように頷いた。
「部長やってる、藤原って言うんだ」
よろしくとばかりに、目の前に差し出された手。
「1年の岡田…岡田翔です!」
まだ入部するって、確実に決めたわけじゃなかったのに、俺はその手を取って挨拶していた。



