13センチの片想い。私とアイツの恋の距離


苺先輩への恋心は届かない。
だから前に進もうと思う。

だけど…実際にはそう簡単には行動出来なくて、気付けば文化祭に向けて、学校全体が忙しなくなる時期になっていた。


そんなある日の放課後。

「翔くんっ!!」

友達と話していると、いきなり名前を呼ばれた。

「苺先輩?」

教室のドアの前には苺先輩が居て、俺は直ぐさま駆け寄る。

「苺先輩の方がこっちに来るの珍しいね!どうかした?もう帰る?」

教室に来てくれた事が単純に嬉しくて、満面の笑顔で言ったのだけど、

あ…違う。

直後に気付いた、大きく上下する肩。それは、走って来た事を物語っていて、何か急ぎの用があるしるし。

「あのっ…ちょっとこっち」

教室内をちらっと見て、人目を気にするように、俺を教室から連れ出す苺先輩。

その態度に、“もしかして”と予感する。

ドクン…ドクン…

覚悟は出来ているはずなのに、それを望んでいるはずなのに、いざそうとなると、聞きたくないと思った。

廊下の隅、向かい合う苺先輩の顔は少し赤らんでいて、怖い。

「翔くん…」

手の平に軽く汗をかく。

でも、苺先輩から出た言葉は…


「あたしをミスコンに応募したでしょ!?」


予想とは全く違って、目をきょとんと見開いた。