苺先輩への恋心は届かない。
だから前に進もうと思う。
だけど…実際にはそう簡単には行動出来なくて、気付けば文化祭に向けて、学校全体が忙しなくなる時期になっていた。
そんなある日の放課後。
「翔くんっ!!」
友達と話していると、いきなり名前を呼ばれた。
「苺先輩?」
教室のドアの前には苺先輩が居て、俺は直ぐさま駆け寄る。
「苺先輩の方がこっちに来るの珍しいね!どうかした?もう帰る?」
教室に来てくれた事が単純に嬉しくて、満面の笑顔で言ったのだけど、
あ…違う。
直後に気付いた、大きく上下する肩。それは、走って来た事を物語っていて、何か急ぎの用があるしるし。
「あのっ…ちょっとこっち」
教室内をちらっと見て、人目を気にするように、俺を教室から連れ出す苺先輩。
その態度に、“もしかして”と予感する。
ドクン…ドクン…
覚悟は出来ているはずなのに、それを望んでいるはずなのに、いざそうとなると、聞きたくないと思った。
廊下の隅、向かい合う苺先輩の顔は少し赤らんでいて、怖い。
「翔くん…」
手の平に軽く汗をかく。
でも、苺先輩から出た言葉は…
「あたしをミスコンに応募したでしょ!?」
予想とは全く違って、目をきょとんと見開いた。



