「何で?」
聞き返す西藤先輩の声は、更に冷ややかなものになる。
「西藤先輩、他の女子と苺先輩とじゃ接し方違うから…」
苺先輩に会う為に、毎日通った一学年上の教室。
俺の前で直接二人が話す事はほとんどなかったけど、それでも西藤先輩の態度の違いに、本当は薄々気付いていた。
ただ…認めたくなくて、今日まで気付かないふりしてただけ。
「津田は友達だから」
…そんなわけない。
「それだけですか?」
あくまで認めようとはしない先輩に詰め寄ると、面倒くさそうに「あぁ」と返事しながら、足を進める。
「それで…いいんですか?」
「…どういう事だよ」
家の敷地内に入ろうとする西藤先輩を、止める形で声をかけた。
至近距離で見上げる、西藤先輩の顔は威圧感があって、スポーツ大会の3年生よりも遥かに怖い。
だけど、ここで怯んだら…意味がない。
「西藤先輩が苺先輩の事、友達ってだけって言うんなら…俺、苺先輩彼女にしますけど」
「まだ、付き合ってなかったんだ?」
「これから付き合いますよ」
まるで、喧嘩を売るみたいな口の聞き方を、わざとする。



