13センチの片想い。私とアイツの恋の距離


「…いるよ。実は今日も一緒だったんだ」

彼氏のいないと言ってる私には、嫌味な発言かもしれない。

だけど、聞いたのは私という事もあってか、嫌な気持ちにはならない。

「じゃあ、私と花火見てたりしてたら、まずいんじゃないですか?」
「もう帰ったから…大丈夫だよ」

喧嘩でもしたのかな…。

花火を見る前に帰ってしまった事、それから藤原先輩が少し物寂しげな顔をした事から、勝手な想像を膨らます。

だけど、余計な詮索はせずに、

「いいな…」

心から言葉が漏れるように呟いた。

「え?」と、藤原先輩は私の顔を見る。

「私ふられたんです。まぁ…告白もしてないんですけど」

空高く打ち上がって、様々な色に一瞬だけ輝いて、地面に吸い込まれるように消えていく…

そんな花火を、ただ見つめながら私は話していた。

「中学の時から好きな人がいて…でも、その人は他の人を好きになって。たぶん…付き合ってるんです」

今日知り合ったばかりの藤原先輩に、何を話してるんだろう…。

頭の隅で思いながらも、開く口を止めようとはしない。

「さっき…見ちゃったんですよ。二人の姿…」