「信じてくれる?」

「…うん。」


はるは静かに頷いた。


「だからはる。
俺の役に立ってないとか、守られてばっかりだとかそういう風に思わないで欲しい。
はるはちゃんと、俺の役に立ってるよ。」

「え…?」

「はるがそばにいてくれるだけで、俺は幸せだよ。
また明日、頑張ろうって思える。
はるの笑顔を見れば、俺も笑顔になる。
はるの隣に、当たり前のようにいれることが、俺にとってはすごく大事なことなんだよ。
つまり…。」

「?」

はるが首を傾げる。


「はるを守るのは自分のためでもあるからってことなんだけど…
はるの泣き顔は出来れば見たくないんだ。
いつも笑っててほしい。

あ、でも辛いときがあるなら、俺の前でだけ泣いてほしい。
って少し矛盾してるね。
だけど、本当の気持ちなんだ。

はるが楽しいときは一緒に笑いたい。
はるが悲しいときは、泣き止むまでずっと、俺がそばにいる。

だから…はるには今まで通り、ずっと俺のそばにいてほしい。」



俺ははるをまた抱きしめる。


「あたし…何の役にも立てないんだよ?」

「そんなことないって。」

「陽の気持ちになかなか気付かないよ…?」

「そんなのもう慣れっこだよ。
大体、1年も片想いしてたんだから。
そのときも気付いてなかっただろ?」

「そうだけど…。」