「お前は何も分かっていない。」

「分かってる!!
あなたのことなら何でも分かるわ!!
あたしなら…
あの子と違ってなんの迷惑もかけないわ。
あなたの力になる。
それにあたしと陽なら、みんなもつり合ってるって思うわ。」

「それが何?俺は別にみんなにつり合ってるって思われなくても構わないよ。」

「え?」


衣里香は何も分かってない。
俺とはるのこともだけど、俺のことも。


「つり合うとかつり合わないとか、そんなのは俺にとってすごくどうでもいいことだ。
それに…はるが俺に迷惑をかけてるって?
そんなのはただの勘違いだよ。
俺は、はるに迷惑をかけられたなんて一度も思ってない。」


一度溢れだした言葉はもう止めることができない。
俺は言葉を続けた。


「はるが俺に利益をもたらさない…?
利益とか損失とかそういうものはそもそも俺たちに必要ないんだよ。
俺がはるを必要だと思ってる。
はるが俺を必要としてくれている。
俺は…はるに何度も助けられてるよ。」

「違うわ!!
助けてるのはあなたばっかりよ!!
あの子はいつも守られてばっかり。
助けられてばっかりよ。」

「そんなことはない。
それに…もし仮にそうだとしても俺は構わないよ。」

「どうして…?」


そんなの、答えは簡単だ。