「見に行けないってどういうことよ？」

「あたしは…自分の試合があるので…。」

「あー…。そういうことね。」


納得したのか、彼女は怪しげな笑みを向けてくる。


「あなた、結局自分が一番なのね。」

「は？」


突拍子もないことを言われて、あたしは唖然とする。
え…何？
結局自分が一番…？ってどういうこと？


「まぁいいわ。あなたの代わりにあたしが応援してあげるから。」

「え？」

「あたしに言わせてもらえば、本来は『彼女』が応援してあげるものだけどね。
でも仕方ないわよね。
あなた、『自分の試合』があるんだもの。
だからあたしがあなたに代わって、応援するの。
この際だから『彼女』も代わってあげましょうか？」

「いっ…いらない!!
っていうかあたし、あなたに彼女を譲る気ないし!!
それに、陽だってお互いに頑張るのが一番いいって言ってくれた!!
だからあたしは…。」

「陽ってば優しいのね…
ホントは誰よりも一番あなたに来てほしいのに。」

「え…？」