* * *


俺は屋上のドアを開けた。
やっぱりいた。


「はーる!!」

体を思いっきり起こして振り返るはる。

「陽!?陽もサボり?」

「違うよ。寺脇先生にはるを探して来いって頼まれたんだよ。」

「え!?次てらりんだったっけ!?」

「そうだよ。寺脇先生の授業。」

「忘れてたー…てらりん怒ってた?」

「ううん。全然。心配してたよ。教室戻る?」

「んー…もうちょっと考え事したら戻る。」

「考え事?もしかして…悩み?」

「ううん。悩みとかじゃないんだけど…」


そう言って不意に俯く。
はるは本当に分かりやすい。
だって顔に出るんだから…
悩みだろ、それ。


「言ってみる?」

「へ?」

「何考えてんのか言ってみなよ。
俺になら何でも話せるだろ?」

「……。」

「話したらすっきりするかもしれないし。何悩んでんの?」