陽のお家で朝ごはんを御馳走になって、あっという間に陽の出発の時間が近付く。


「そろそろ…出た方がいいんじゃないの?陽。」

「そうだね。そろそろ行くよ。」

「そうね。じゃあ、お見送りははるちゃんにお願いしましょうかね、あなた。」

「そうしようか。私達はここで見送るよ。」

「え?ちょ…え…だって…一緒に行くってお話じゃ…。」

「私、陽の背中を駅で見送ったら泣いてしまいそうなんだもの…それに…。」

「君たちの邪魔をしたくないからね。
晴香さん、お願いできるかな?」

「えっと…本当に行かなくていいんですか…?
というかあたしで…。」

「はるちゃんにお願いしたいの。お見送り、行ってもらえるかしら…?」

「…はい…。あたし、行ってきます。
ちゃんと陽のこと、見送ってきます!!」

「頼むね、陽のこと。」

「…はいっ!!」

「はいって…俺そんなに迷惑かけたりしないよ。
…じゃあ行こうか、はる。」

「うんっ…。」

「じゃあ父さん、母さん、行ってくるから。」

「行ってらっしゃい。ゴールデンウイークには帰ってきなさいよ。」

「分かってるよ。」

「分かっていると思うが、しっかりやりなさい、何事に関しても。」

「うん。父さん。
じゃあ、行こうか、はる。」

「うんっ…あ、お邪魔しましたっ…。」

「はるちゃんはこれから毎日でも来てくれていいのよー♪
私、陽がいなくなっちゃって寂しいもの…。」

「母さん、はるを困らせるなよ…。」

「あらごめんなさい…。」

「それじゃ…行ってきます。」

「行ってらっしゃい。」