全身が陽の香りで包まれる、温かくて不思議な感覚…
恥ずかしい気持ちももちろんあったけど、それよりもずっと、何て言えばいいのか分からないけど…
とっても心地よくて、ずーっとこうしていたいって思ったのも嘘なんかじゃなくて…。


「陽…。」

「ん?」

「あたし…今…とっても幸せだよ。
ありがとう、陽。」

「何?今更…っていうか今日でお別れってわけじゃないんだから、そんなこと言わないでほしいな。」

「っ…ごめん…っ…
だけど…今幸せだからってこと…伝えたくてっ…
それに…明日から、こうやって触れることもできなくなっちゃうから…」

「…そうだね…。
だから今のうちに…たくさんはるを抱きしめておかないと。」

「ってうわっ!!ちょ…。」


いつもよりもずっとぎゅっと抱きしめられて、心臓もいつもとは比べ物にならないくらい高鳴る。
でもあたしは、明日からの寂しさを考えられないほど幸せで…


「はる。」

「え?」

「好きだよ。」

「っ…!!」

「はるも…言って?」


そんな目で、そんな声出されたら…言わないわけにいかないじゃん…っ!!


「…っ…好き…陽のことが…大好きっ…!!」

「良くできました。」


陽は満足そうに笑って、それにつられてあたしも笑顔になって…
いつの間にか、陽の腕の中で意識を手放してた。