恋色の紙ヒコーキ

「やっと…言ってくれたね…『寂しい』って。」

「え?」

「だから言えるよ、俺も。
はると離れるのが、辛いし…寂しい。きっとはるよりも俺の方がずっと寂しい。」


陽の膝にのったままだから、陽との距離が近い。
あたしの心臓の音が聞こえちゃうんじゃないかっていうくらい…
だけど…陽の声がいつもよりも真剣だから、あたしも目を逸らさずに聞きたい。


「はる…何でも言って。これからは特にちゃんと。
俺に…はるの気持ちを隠さなくていいんだよ。
はるが寂しいときは言って。どうしたら寂しくならないのか、一緒に考えるから。
会いたくなったら、それも言ってよ。できるだけすぐ会いに行くから。」

「だって…そんなのあたしの勝手で…っ…。」

「俺だって、これからはると離れて寂しくないわけがない。
毎日寂しいし、毎日会いたい。
いつでも気持ちは同じだよ。だからはるが合図してくれる時はいつでも、俺にとってベストタイミングなんだよ。」

「陽…。」

「遠慮しないで。迷惑だとかそんなことは考えないで。
はるの気持ちを、いつだって伝えてほしい。」

「そんなことだけで…いいの?
陽は不安になったりしないの…?
あたし、陽の不安とか悩みとか…ちゃんと聞けるようになりたいの…
だってそれが…『彼女』の役目…だって思うから…。」


っ…自分で言ったのに…
『彼女』という言葉がなんか妙に恥ずかしい。