恋色の紙ヒコーキ

*陽side*

俺と久哉は出るに出れない状況にいた。


「なぁ…俺たちいつまでこーしてなきゃいけないんだ?」

「まだ笹川さんと話してるみたいだから…。」


屋上の閉められたドアの前で俺たち二人は立ち尽くしている。

さっきの衣里香の言葉(暴言)に傷ついてなのかは分からないが、はるが教室を飛び出して来る場所と言えばここしかなくて

だから俺は走ってここに来た。
別に久哉は呼んでないんだけど…
きっと笹川さんが気になってついてきたんだと思う。
つくづくバカップルだ…
なんて思ってることは口にできない…けどね。


「あ、話し終わったみたい。
あれ?なんだかはる、すっきりした顔してる。」

「俺にはいつもと同じ顔にしか見えないけど。」

「それは…久哉が笹川さんしか見てないからだよ。」

「朝からんなこと言うんじゃねぇよ!!」


とか言って素直に照れる久哉。

多分突入したくてたまんないんだろうな。