恋色の紙ヒコーキ

「はる?大丈夫?
なーんかあたしと焦点合ってなくない?」

「だっ!!大丈夫!!
ごめん…考え事してただけ。」

「そ?抱えきれなくなる前に話してよね。
別に今とは言わないから。」

「うん。ありがとね、梨絵。」

「いーえっ。それにしても神城衣里香、邪魔よねー。
最後の高校生活だっていうのにさー…。」


キーンコーンカーンコーン…


「あ、チャイム鳴った。」

「はるのせいだからねーサボるのは!!」

「ごっ…ごめん…。」

「別にいいけど。
ていうか話元に戻すけど…
少しでもその…陽くんと神城衣里香のことで不安があるならすぐに言った方がいいよ?
どうせはるはため込んでるとすぐ、うじうじ病にかかっちゃうんだからさ。
陽くんは、はるが不安でいるのが嫌だと思うし…
聞かれたことはしっかり答えてくれるはずだよ。」

「うん…そうだよね。」


あたしは空を見上げた。

今日は眩しいくらいの青空で、余計に出会ったときのことを思い出す。

少しだけ、心のもやもやみたいなのがなくなっていくような気がした。