恋色の紙ヒコーキ

* * *


「手厳しいね…久哉。」

「はるにも成長が必要だからな。
まぁ素直なのがはるのいいとこだけど。」

「…笹川さんだって素直だろ?」

「んー…そうでもねぇよ。
無理して俺に『頑張って』って言ってるように見える時もある。
つーか俺も微妙に無理してる部分あるし。
ま、俺らの場合、県外行くのは梨絵だけどな。」

「寂しいって言わないの?」

「言わねーよ。それは男のプライドにかけて絶対言わねぇ。
それにんなこと言って梨絵の未来潰したくねぇし。
俺なんかのために夢諦められちゃ困るしな。
それに俺は…。」

「何?」

「その先までちゃんと考えてるし。」

「その先?」

「ま、プロポーズ大作戦的な?」

「話が早いなぁ。」

「近いうちにしとかないと、他の奴に取られちゃ困るしなー俺が。」

「そうだね…。」

「ってことで陽!!お前、しばらくはるに厳しくしろよ?
はるがちゃんと成長するまで。
つーかお前、勉強が忙しすぎてはるに構ってらんなくなんぞ?」

「うん…。とにかく受からないと、どうしようもないし。」