恋色の紙ヒコーキ

*陽side*


「珍しいなーお前が俺んち来るなんて。どした?」

「ちょっと自己嫌悪中で家に帰りたくなかったから来た…。」

「自己嫌悪中?それまた珍しいな。
んで、はると何かあった?」

「んー…進路のこと、はるに聞かれた。」

「はぁ?何?自分で言ったんじゃなくて聞かれたってどういう意味?」

「そのままだけど…。
今俺、添削指導受けてるの知ってるだろ?」

「うん。それで?」

「その指導してもらってた場面を偶然見られてというか聞かれて…。」

「で?」

「泣かれた。」

「はぁ?なんでそうなったんだよ?
っていうか引き止めなかったのか?」

「引き止めたよ。
そこで自己嫌悪…。」

「あー待て待て。
もうちょい説明してくんね?
屋上で何話したんだよ?」


俺は全てを久哉に話した。
付き合いが長くなると、場所とか相手とかそういうのをいちいち説明しなくても理解してくれてて、とても助かる。
それに、俺がこうして何度も久哉の家を訪れているのは、久哉と単に仲が良いからだけじゃない気がする。