恋色の紙ヒコーキ

「はる?大丈夫…?」

「梨絵…。」

「ホント、なんなんだろうねあの子。
あたし、ああいうタイプの子、あんまり得意じゃないかも。押しが強すぎるもん。」


梨絵が顔をしかめながらそう言った。


「はる、あんなの全然気にすることないからね!!
はると陽くんの仲の良さ見てたらすぐ諦めると思うし…。」

「そうかなぁ…。」


あたしはぼんやりと呟いた。

陽のほうに目を向けると、神城衣里香が陽の腕にまとわりついていた。

それをすかさず、陽の声が制止する。


「衣里香、離してくれって言っただろう?」

「どうして?
まさか…私がそばにいない間に彼女でも出来たの…?」

「ああ。」


陽は短く答えた。


「はるだよ。」

「はる?」

「だから…。」

神城衣里香がまた掴もうとした腕を振り払った。

そして…


「俺はお前の彼氏にはならない。」