「俺、これから陽先輩みたいなカッコイイ男を目指したいと思います!!」

「え…俺?」

「はいっ!!
俺も陽先輩みたいに、一番大切だと思える子を守れたらいいなって…
今日、陽先輩を見ててそう思いました。
だから…憧れの先輩です、陽先輩は。」

「憧れの先輩って…
面と向かって言われたの初めてだな…。」


ちょっと戸惑った顔をしているけど、同時に嬉しそうな陽。
それを見て、あたしもつい、笑みが零れた。


「もちろん、はる先輩は一人のバスケットボールプレーヤーとして憧れてます!!」

「え!?」

「はる先輩のような機敏なプレイができるように頑張ります。
俺の話は…これくらいです。
わざわざこんなことを聞いてもらってしまってすみません。
でも、どうしても言いたかったんです。
ありがとうございました。
じゃあ、俺、後片付けの方に行ってきます。」



一気にそれだけ言って、小林くんは走って行ってしまった。



「これで…落ち着くね。お互いに。」

「え?」

「衣里香も小林くんもいなくなったし。」

「そうだね…ほんっと二人には困らせられたー…。
あたし告白されるのとかもういいや。困るだけだし。」

「俺も困るだけなんだけど。」

「でも陽は仕方ないよ。だってイケメンだもん。」

「何それ?はるの口からイケメンなんて言葉が出てくるとは思わなかった。」

「だってみんなイケメンイケメン言ってるんだもん。」

「あれ?じゃあはるは別にイケメンだって思ってないってこと?」

「そうじゃないけど…
あたしは別に陽の顔ばっか見てるわけじゃないっていうか…
ってもう行こう!!あたしも片付けしなきゃだし。」

「はいはい。」