爆薬をセットした後、外へ逃げる時間はもうなかった。
建物の崩壊から逃れるために下へ下へ。
メトロ辺りにまで降りたその時、爆破が開始した。
駆けても、駆けても、間に合わない。
崩壊する建物の振動がヒサヤを襲った。
次に目覚めた時、ヒサヤはしばらく状況が思い出せなかった。
暗さに目が慣れると、線路が見えた。
サイドに埋め込まれた非常灯が光ってはいるのだが、電圧が低いのか何とも儚く仄かな明かりだ。
体を確認すれば、所々痛むものの打ち身ばかりで問題はなさそうだ。
振りかえれば半壊した階段が見える。
あそこから落ちて良く生きていたものだと深く息を吐く。
バックパックは破れ、中身はもう無い。
要らない物を捨て身軽になる。ここから先はサバイバルだ。
「おし」
小さく気合いを入れる。
それに答えるように、
「あの誰かいるのですか?」
急に声が上がった。
建物の崩壊から逃れるために下へ下へ。
メトロ辺りにまで降りたその時、爆破が開始した。
駆けても、駆けても、間に合わない。
崩壊する建物の振動がヒサヤを襲った。
次に目覚めた時、ヒサヤはしばらく状況が思い出せなかった。
暗さに目が慣れると、線路が見えた。
サイドに埋め込まれた非常灯が光ってはいるのだが、電圧が低いのか何とも儚く仄かな明かりだ。
体を確認すれば、所々痛むものの打ち身ばかりで問題はなさそうだ。
振りかえれば半壊した階段が見える。
あそこから落ちて良く生きていたものだと深く息を吐く。
バックパックは破れ、中身はもう無い。
要らない物を捨て身軽になる。ここから先はサバイバルだ。
「おし」
小さく気合いを入れる。
それに答えるように、
「あの誰かいるのですか?」
急に声が上がった。


