あたしは無言でベッドから立ち上がると、カバンを持った。 先生はそんなあたしに手を伸ばし、引き止める。 「金本!まだ熱が!」 『やめて!!!』 パッシーン 威勢のいい音が、室内に響き渡った。 …やってしまった。 先生を、思いっきり叩いちゃった…。 あたしが先生にやってしまったのは、いつものビンタには比べものにならない度合いで。 顔を歪ませる先生を見ると、胸が痛んだ。