『先生はズルい…。』 「へっ??」 先生の間抜け声が数学教師室に響く。 あたしは構わず続けた。 『だって、あたしばっかり…。』 本当にそうだ。 あたしばっかり、先生が好き。 あたしばっかり、気まずくなる。 こんな先生主権の恋、辛いよ…。 「違うよ。」 『へっ??』 先生が突然力強い声を出したから。 今度は、あたしが間抜けな声を出す番だった。