『元通りに戻りたい。』 それが本音だった。 先生と今まで通り、ふざけあったり、数学を教えてもらったり。 何気ない時間を過ごしたい。 欲をいえば、 今まで以上に。 先生の特別になりたい。 先生の恋人になりたいの――。 「…じゃあ、行ってきな。」 美々はそんなあたしの心情を全てお見通しのようだった。 そんな美々に向かって、あたしは静かに頷く。 そして、席を立つと静かに走り出した。