このままじゃだめだ。 本能がそう悟っていた。 俺は、 自分の職を失う勇気はあっても。 美緒の人生を狂わしてしまう、 そんな勇気は持っていないんだ。 ――だから、ごめん。 俺は手のひらをギュッと力いっぱい握った。 俺の心とは反面していて、 窓からは眩しい光が降り注いでいた。