「ありが…とう…」 今にも消えそうな声音 それは和奏が下を向いているからだと、思いたい チンッ エントランスにエレベーターが着くと、俺は和奏の背中に手を添えて中に促した 早くこの冷たい身体を温めたかった 寒さに微かに震えている和奏を後ろから抱きしめた 「っ…ぬ、濡れちゃうよ…」 一瞬身体を強ばらせたけど全然俺を拒否しない和奏の身体 俺は「いいから」と一言言って、最上階まで和奏を抱きしめ続けていた