それから唇を離した恋花は、やっと俺の顔から手を離し、ニパッと無邪気に笑った。


「ひりかたさんと接吻しら~。恥ずかしいれす~。」


「…………。」


恥ずかしそうに自分の頬に手をあてている恋花を俺は茫然と見つめた。


(こいつ、本気で接吻しやがった………。てか、自分でやったんだろ…………。)


何とも言えずにいると恋花はその場にパタリと倒れてしまった。


「恋花!?」


慌てて恋花に近づくと、恋花はスースーと気持ち良さそうに寝息をたてて眠っていた。


「なんだよ…寝たのか……。」


拍子抜けしたと言うか、ホッとしたと言うか、複雑な気分になった俺は恋花に布団をかけてやった。