「わかりません。」


「わからない?」


俺がそう聞くと恋花は頷いた。


「確かに人が亡くなっても月は変わりません。時代が変わっても月は変わりません。だから月を見るととても寂しい気持ちにはなります。でも……。」


恋花はここまで言うと俺の顔をジッと見てきた。


「何だか月が土方さんに思えてきて、嫌いじゃなくなった気もします。」


「俺が月?」


「はい。空が新選組で太陽が近藤さん。そして土方さんは月な気がします。」


恋花は言葉を続けた。


「いつも皆を明るくまとめる近藤さん。鬼と呼ばれながらも隊士のために厳しくする土方さん。空には全然違うけど太陽も月も空からは無くなってはいけないものです。新選組にも近藤さんと土方さんは居なくてはいけないもの。似てると思いませんか?」


恋花の考えを聞いて俺はフッと笑った。