「君は、俺なんかの為に泣いてくれるのか?」


俺がそう言うと恋花さんはコクンと頷いた。


俺の為に泣いてくれる恋花さんが愛おしく思った。


(愛おしい?)


俺は恋花さんに恋をしているのかもしれない。


今、俺は恋花さんをこの手で抱きしめたくて仕方がなかった。


だが体は起き上がれず、抱きしめることが出来ない。


目の前に愛おしい人がいるのに抱きしめられないもどかしさを紛らわしたくて俺は口を開いた。


「俺は、君に……恋花さんに会えて良かったと思ってる。君が新選組に来てから土方さんは、表情が豊かになったし他の隊士達も笑顔が増えた。俺も…恋花さんに助けられたよ。」


俺がそう言うと恋花さんは首を横に振った。