「山崎も危ない状態だそうです。」


「わかった。」


悔しい思いで拳を握りしめた。


「たくよお。奉行所が燃えなけりゃ勝ってたかもしんねえのによ。」


伏見から引き京町に避難すると原田は悔しそうに壁に拳を叩きつけた。


(たしかに運が悪かった。だが……)


薩摩の奴らよりも幕軍の方が兵力は上であったが武器が違いすぎた。


(奉行所があの時燃えなくても、もしかしたら……)


その後退却命令が出され俺達は大阪に向かった。