「土方さん………龍馬さんが暗殺されたって本当ですか?」


振りかえると体を震わせながら顔を青ざめている恋花がいた。


「ああ、本当だ。」


俺がそう言うと恋花は屯所から飛び出そうとした。


「おい、恋花!」


俺が慌てて腕を掴むと恋花は俺の顔を見て大粒の涙を流した。


今まで俺には我慢して見せなかった涙を俺に見せたのだ。


「落ちつけ。今坂本の所に行ったら危険だ。まだ暗殺者がいるかもしれねえ。」


俺がそう言って恋花を抱きしめると恋花は小さく頷いた。


「恋花、お前はもう部屋に戻れ。俺は原田の所に行かなきゃならねえからな。」


「わかりました。」


恋花はそう言うと、部屋に戻って行った。