そう考えただけでゾッとする。


私は、男の足を全体重乗せて思いっきり踏みつけた。


「ヴッ………。」


後ろから鈍い声が聞こえそれと同時に私を捕まえてた腕が離れた。


私は、勢いよく振りかえると見覚えのある人がいた。


「えっ?龍馬さん!」


それは足を痛そうにさすっている龍馬さんだった。


「恋花さん、久しぶりじゃのう。」


「お久しぶりです。……って何で龍馬さんがこんなことしたんですか?」


「こんなこと?」


「私の口を押さえて身動きとれなくしたじゃないですか。」


「久しぶりに恋花さんを見たから話がしたくてのう。わしは、今お尋ね者じゃきここで大声を出されたらひとたまりもなかったんじゃ。じゃき、怖い思いさせてすまんかったのう。」


龍馬さんはそう言って私に頭を下げた。