「すぐ戻って来ますから。」


「恋花さん。」


部屋を出ようとすると沖田さんは私の名前を呼んだ。


「何ですか?」


「私は、伊東は嫌いですけど貴女は近藤さんと同じくらい好きですよ。」


沖田さんの言う好きは、女としてではなく仲間としてだと言うのはわかっていたが、私は自分の顔が赤くなっているのに気づいた。


「それは嬉しいですね。私も沖田さんのこと好きですよ。」


私が微笑んでそう言うと沖田さんも微笑み返してきた。


私は襖をゆっくりと閉め井戸に向かった。