「沖田さん、もう起きてますよね？」


私がそう言うと沖田さんはクスッと笑い体を起こした。


「ばれていましたか。」


「だって沖田さん、近藤さんに頭を撫でられた時口元が緩んでいましたよ。」


「アハハハ。そうでしたか。」


「沖田さんは本当に近藤さんの事好きですよね？」


「好きですよ。あんなに懐の深い人は見たことがありません。そんな優しい近藤さんにつけ込もうとしている伊東は大っ嫌いですけどね。」


笑顔でサラリと言うもんだから私は沖田さんの言葉を聞き逃しそうになった。


「伊東さんがお嫌いですか？」


「嫌いですよ。今まで必死に築き上げてきた、この新選組を２つに割ろうとしているのですから。隊士達を勧誘したりして、本当に嫌いです。まあ伊東の方に行った隊士達は遠慮なく斬り殺しますけどね。」


笑顔で恐ろしい事を言う沖田さんは、恐ろしく伊東さんをとても嫌っていることがわかった。