牢から出ると空からは白い雪が降っていて体も凍りつくような寒さだった。


「総司!さっきの女の人は誰だ?」


牢の外に立っていた平助、永倉さん、原田さんが私が牢から出てきた事に気づき、私に駆け寄って来た。


「あの人は山南さんの女です。」


「山南さんの女!?あの山南さんが?」


平助は驚きのあまり目をパチクリさせながら口をポカーンと開けた。


「山南さんだって人なんだから恋くらいするだろうよ。まあ左之みたいに女なら誰でも良いってわけではないだろうけどな。」

「何だよ新八。俺がたんなる女好きみたいじゃねえか…。」


原田さんはいじけたような顔を少し膨らませた。


「なあ総司、土方さんから介錯は総司がやるって聞いたんだけど。」


平助が眉を寄せ私に聞いてきた。