「わかりました。」


「総司………。」


私が立ち上がると土方さんは私を呼び止めた。


「何ですか?」


「いや……なんでもねえ。」


土方さんはそう言うと私に背を向けた。


「失礼します。」


私は襖を開け廊下に出ると足早に山南さんの所に向かった。


牢では、笑顔な山南さんと今にも泣きそうな恋花さんがいた。


「恋花さん、山南さんと2人で話がしたいのですが……。」


私がそう言うと、恋花さんは頷き牢から出ようとした。


「恋花さん、貴女は私が切腹をする時部屋にいて下さい。貴方には、見せたくない。」


山南さんは恋花さんに笑顔の自分を覚えていてほしいのだろう。


恋花さんは少し黙ったあと、寂しげに頷いて牢から出て行った。