土方さんは目を閉じゆっくりと開けると険しい顔をした。


「山南さん、あんたは局中法度を犯した。よって切腹を命ずる。切腹の日まであんたには牢に入っててもらう。」


誰しもがその言葉に凍りついた。


「副長、本当に鬼だな。」


「あの山南さんを切腹にするなんてな。」

冷たい目線を土方さんに送りながら隊士達はざわつき始めた。


今まで局中法度を犯した隊士達には切腹を命じてきた。


どんなに山南さんの存在が大きくても、例外は認められないのだ。


「恋花、お前は牢で山南さんの世話をしろ。お前らも部屋に戻れ。」


土方さんの言葉に、山南さんと恋花さんは牢に行き他の隊士達は部屋に戻って行った。


土方さんを見ると近くでないと気づかないくらい小さく肩が震えていた。


(一番辛いのは土方さんのはずなのにこの人は自分がどれだけ悪人になれば気が済むのだろう………)


土方さんはそのまま自分の部屋に戻ってしまった。