ちなみに「鈴華」という名前は、能に出てくる善界坊という天狗がいるのですが、それに関連して善界草(別名オキナグサ)という植物がありまして、その学名がラテン語で花の形を鐘に例えたことにちなむという所から→鈴の華です。

天狗たちの名前は全て、夜や闇に関係した言葉で統一してみました。

そして……

妖怪が「潜む」「漂う」話を目指そうという企画を自ら打ち立てておきながら、

「天狗」に関しては、

「どこが潜む漂うやねん!?」

という、妖怪バトルまで繰り広げた堂々たる出演っぷりとなってしまいましたが(汗)、こちらはエンターテイメント要素としてスパイス程度の扱いで楽しんで戴いて、

読者の皆様が、あくまでメインの題材はタイトルでもある「マヨイガ」と捉えて下さると嬉しいです。

タイトルの「マヨイガの街」というのが何のことを示しているのか……?

様々に見立てて登場させてはおりますが、
今回この作品では、まさに導花線の捉える妖怪・怪奇観の象徴として使ってみました。

なので、最後までお読み戴いた時に、この作品全体を通して読者様の脳裏にこの質問の答えが何かしら浮かんでいましたら幸いです。


最後になりましたが、表紙に付け加えました言葉について。

導花線はこんな考え方をしてしまうツマラナイ理系人間でもあります、ということで(笑)。

SF的な解釈を選んだことからも、続く言葉は明白かと思いますが、


「真実は大抵、
空想よりもつまらなく過酷で

だから、マヨイガには…」