それなら、 「…愁ちゃん」 私は、席を立とうとする彼の名前を呼ぶ。以前のままに。 そして、『瑠香姉様』を差したあの日とは違う、だけど、同じ疑問文を。 「あの方を愛していますか?」 それは聞くには稚拙で、何にも包まない素直な表現。 いつまでたっても、 感情だけ嘘を纏っても、 言葉が紡ぎ出すものは大人にはなれないわね。