「仕事が残っていましたので、来客用の書斎で片付けさせて頂いていました。」 淡々と言う言葉に、愁哉さんの言う書斎は母様の部屋のある廊下の突き当たりの部屋だろうと納得しながら、 「…瑠香さんは?」 その名前の所在を今なお、疑心している。 一緒にいた、とそう言ってくれれば、あの声は私の聞き間違いだったと思う事ができたのに。 「瑠香?彼女は先に休んでるでしょう」 だけと、愁哉さんは全く興味がない事の様に言った。 勿論、あたしが聞いた声の事を知っていれば、答えは違ったかもしれないけれど。