テラスへ続く廊下を静かに歩く。 月の光で明るい夜空が、好きであたしはよく深夜抜け出してそこから空を眺めた。 なぜかしら。 いつもは父様がいる時は行かないのに。 父様の書斎の横を通らなければならないから。 最も、殆どこの広いだけの屋敷にいない父様が、珍しく家にいたとしてもこの書斎にいる事はないのだけれど。 私はなるべく足音を立てない様に、扉に一歩一歩近付く。 漏れる声に気付きもしないで。