「…だけど、恭平もそろそろ本気になんなきゃね」 おかしそうに口を開く麗子さんに顔を向ける。悪戯にキラキラしていた瞳は少し影を落として、私を見つめた。 「だって、清吾がこのまま琴ちゃんを放っておくはずないもの」 冗談めかしてそのまま紡いだ言葉。 『大原清吾』私の父様。 愁哉さんと婚約破棄してから、全くそれについて触れない父様に違和感しか感じなくて戸惑うばかり。 だけど、きっと父様はまた新しい婚約者を見つけてくる。私がカゴから逃げ出さないように。 それはきっと、遠くない未来。