優希がぼけーっと座っているとさっき倒れた彰が教室に入ってきた。


彰「置いてくなよな〜……」


優希を見つけると彰は嘘泣きをしながら後ろから抱き着こうとしたが、何処からか殺気を感じたためその方向を見た。


『抱き着いたら…殺す…』と言うような程の殺気を出している聡美がいた。


【聡美の事だからやりかねない。】そう思い彰は抱き着くのをやめた。


優希「変態な彰だから大丈夫だと思った(笑)」


…呑気に返事を返している優希は聡美の殺気になど全く気付いていないのだった。



「「「「きゃーーーっ」」」」




いきなり廊下から空まで聞こえてしまいそうな程の叫び声が聞こえた。



優希「な、なに!!?」


びっくりして席を立つと『多分王子だろう。』といつの間にか聡美が横にいて言った。


【瞬間移動!?…じゃなくて、女子があんな騒ぐ程その王子は大人気なんだ。でも男子は何かちょっとムッとしてる気がする…】横にいた聡美にも軽くびっくりしたが、それよりも周りの生徒達と王子の事を色々と心の中で考えていた。

彰「なんか…王子も大変だな(汗)」


【確かに…】と思った二人は頷き、三人で廊下側を見ていた…



しばらくしてチャイムが鳴ると、叫び声などで騒がしかった廊下も静かになった。


正樹「おはようございます。」


優しく微笑みながら入ってきた王子こと正樹を見た女子は数人『ぶはっ』と鼻血を出した。


それを見た正樹は鼻血を出してしまった女子に『大丈夫ですか?』と言いながら、一人一人にティッシュを渡していた。


『私も鼻血出せば良かった…』と後ろの席にいた生徒が呟いたのを聞いて、流石にひいた優希でした。