パパはアイドル♪ ~奈桜クンの憂鬱~




「優子さん、」


「なぁに?」


保育園の帰り、桜と奈桜の母親の優子は仲良く並んで歩いていた。
暑い陽射しは2人の首筋に汗を落として行く。


「Zって知ってる?」


握った手を大きく振りながら優子を見上げる。


「Z!?」


優子は驚いてすっとんきょうな声を出し、立ち止まってしまった。


「どうしたの?どこか痛いの?」


心配そうに桜が顔を覗き込む。


「あぁ、ごめん。ごめん。大丈夫。何でもない」


わざとらしく2、3度咳き込んでにっこり笑うと、ゆっくり歩き出した。