パパはアイドル♪ ~奈桜クンの憂鬱~

「じゃ、オレも帰るわ。お疲れ」


奈桜が少し微笑んで立ち上がる。
その瞬間も、目はさりげなく時計を見ていた。


「……来ないかと心配してたよ」


碧が奈桜を見つめたまま、静かに言う。


「え?何で?」


ちょっと驚いた顔をした後、笑った。
思い当たる節はあるが、わざととぼけてみせる。


「焼けぼっくいに火でもついたかと思った」


碧は立ち上がり手際よく奈桜の分と2つ、熱いコーヒーをいれた。


「もう一杯だけ付き合えよ」


碧が…何の話をしたがっているのかは容易に察しがつく。
奈桜は観念したかのようにそのまま座った。