パパはアイドル♪ ~奈桜クンの憂鬱~

「終わったんだよ。梓とは…。今さら何も始まらないし、始めようとも思わない。梓が帰って来たからって、何も変わらないよ。オレには桜がいる。…分かってるよ」


力無く言う、ちょっと疲れた横顔に碧は少し胸が痛んだ。
が、すぐにまた険しい表情になる。


「信じられない。あんなに好きだった人が帰って来たんだ。会いたいだろ?」


碧の語気が強くなる。


「もう終わったんだって」


奈桜の秘密を知っている碧にまで嘘をついてしまった。
悪いと思いつつも、今、梓と会う事を言う訳にはいかない。
特に2人の仲をよく知っていた碧には。


「連絡は…あったんだろ?その落ち着いた顔を見れば分かる。ほんとに知らなかったらもっと動揺してるだろ?奈桜は顔に出るんだよ。…なぁ、頼むから桜ちゃんを泣かせるような事はするなよ。やっと家族らしくなって来たんだからな」