パパはアイドル♪ ~奈桜クンの憂鬱~

店の明かりもようやく消え始め、街はわずかな眠りに入ろうとしている。
奈桜はチラチラと時計を気にしながら、この先をどうするか必死に考えていた。


大事な用がある時に限って邪魔が入る。
いや、これは『行くな』という事?
奈桜は梓と会うと決めてはいても、自分の気持ちを十分納得させてはいなかった。


娘・桜への裏切り行為…
違う。


梓は…
梓は、もうただの友達。 友達に会うのに罪悪感があるのはおかしい。
ただの友達になったから会えるんだ…。


奈桜は車の窓から高いビルを見上げ、都合のいい理由を見つけ少し安心した。



「碧、オレさ、このあと用事が…」


「スポーツ新聞、読んだか?」


碧が奈桜の言葉にかぶせるように話し始めた。