パパはアイドル♪ ~奈桜クンの憂鬱~

「雨宮さん!」


ドアに手をかけた時、マネージャーの石田に呼び止められた。


「何?」


嫌なヤツに捕まった。と思った。


「送りますから待って下さい」


プロデューサーと話していた石田が慌てて側に来た。


「いいよ。今日は自分で帰るから。お疲れ」


早く帰りたい奈桜はサッサと話を済ませたい。


「困ります。家まで必ず送るように言われていますから」


黒ぶちメガネの奥の瞳が少し睨む。


「たまには自由にさせてくれよ。息抜きさせてくれって」


「社長命令です」


奈桜は大きなため息をついた。


「ずっと言う通りにしてるだろ?…休みだってない。寝る時間もほとんどない。たまには1人で帰らせてくれよ」


今日だけは…
ここでマネージャーと離れたかった。
1度気分をリセットしてから…梓と会いたい。
そう強く思っていた。