「元気…だった?」
女性のちょっとはにかんだ声。
聴覚が体の全てに変わって行く。
何もかも、聞き逃したくない。
「うん。元気だったよ。梓(あずさ)は?」
「元気よ。昨日戻って来たの」
「そっか…。撮影、お疲れさま。よく頑張ったな」
「ありがとう。奈桜が応援してくれたから…」
お互いの胸がギュウッと痛む。
丁寧に言葉を選びながら話す。
時間の流れはゆっくりと逆行して行く。
「番号…変わってなくて良かった。繋がらないんじゃないかって心配してたの。違う人の番号になってたらどうしようって」
奈桜の耳が熱を帯びて、体中の血が一気にたぎって行く。
そうだ。
きっと、この日を、この時を期待して携帯の番号もアドレスも絶対変えなかったんだ。
心の奥底で汚い期待をしていた。
どこまでもずるい自分の気持ちに一瞬、ゾッとする。
(オレはこんな人間だったんだ…)
女性のちょっとはにかんだ声。
聴覚が体の全てに変わって行く。
何もかも、聞き逃したくない。
「うん。元気だったよ。梓(あずさ)は?」
「元気よ。昨日戻って来たの」
「そっか…。撮影、お疲れさま。よく頑張ったな」
「ありがとう。奈桜が応援してくれたから…」
お互いの胸がギュウッと痛む。
丁寧に言葉を選びながら話す。
時間の流れはゆっくりと逆行して行く。
「番号…変わってなくて良かった。繋がらないんじゃないかって心配してたの。違う人の番号になってたらどうしようって」
奈桜の耳が熱を帯びて、体中の血が一気にたぎって行く。
そうだ。
きっと、この日を、この時を期待して携帯の番号もアドレスも絶対変えなかったんだ。
心の奥底で汚い期待をしていた。
どこまでもずるい自分の気持ちに一瞬、ゾッとする。
(オレはこんな人間だったんだ…)

